今でこそ私は、ベルギーのショコラティエの一人に名を連ねていますが、
もとは製鉄メーカーでチーフエンジニアの仕事をしていました。
チョコレートの魅力に取り憑かれた私は、
古い文献などを紐解き、独自の研究を重ね、ショコラティエとして歩み始めました。
チョコレートづくりを極めれば極めるほどに、ショコラティエである前に、
“カカオ職人”でありたいという想いが強くなりました。
カカオ豆が本来持つ個性を最大限引き出すために、
チョコレートづくりに必要な機械も一部は自分で製作し、
一枚一枚、一粒一粒、いまも心を込めて手づくりしています。
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1
[カカオ豆選別]
発酵・乾燥の工程を終えたカカオをひと粒ずつ目視で品質確認し、選別する。 カカオの品質は、チョコレートの香りや味わいに直結するので、厳しい目でチェックします。
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2
[焙 炒]
カカオ独特の香りを引き出すために、焙炒は極めて重要な工程といえます。カカオの繊細な香りのニュアンスを損なわないために、自家製のロースターを使用し、低温でじっくり時間をかけて焙煎します。
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3
[粉砕・分離]
ローストされたカカオ豆を砕いて、外皮と中身のカカオニブに分離します。チョコレートの雑味の原因にならないよう、余計な外皮は丁寧に取り除きます。
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4
[グラインディング]
カカオニブを細かくすり潰します。熱をかけながらすり潰すことでペースト状になり、これを「カカオマス」と呼びます。カカオマスはカカオ100%のチョコレート原料となります。
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5
[コンチング]
カカオマスに、砂糖、脱脂粉乳、カカオバターなどを混合した後、粒子を微細化し、なめらかな舌触りに。1800年代のアンティークマシンを自分で蘇らせ、丹念に時間をかけて、酸味を飛ばし、マイルドな風味に仕上げるのが、私のチョコレートづくりの特長です。
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6
[テンパリング]
チョコレートをつややかで口溶け良く仕上げるために、細やかに温度調整(=テンパリング)を行う。温度はチョコレートによって細かく調整します。宝石のように見目麗しいチョコレートづくりのために、テンパリングは欠かすことの出来ない工程です。
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7
[タブレット/プラリンづくり]
タブレットは「モールド」と呼ばれる型に入れて、ベルギーチョコレートを代表するプラリンは「エンローバー」と呼ばれる上がけの方式で、一枚一枚、一粒一粒丁寧に仕上げます。