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JOURNAL

農園ジャーナル

ブノワ・ニアンの飽くなき探求心が育んだ「最高の宝物」
最高のカカオ農園を探し求めて世界中を旅するカカオ職人、ブノワ・ニアン。2012年、辿り着いた先は南米・ペルーのサン・マルティンだった。アンデス山脈の麓に広がる美しい風景や、住む人々の温かさに魅了され、長年の夢だったカカオ農園を設立する決意を固めた。彼が選んだ場所は、サン・マルティン地方の村、サン ホセ デ シサ。この農園は自身の息子Luisにちなんで「FINCA LUIS DE SISA(シサのルイ農園)」と名付けられた。

サン・マルティン地方は、アマゾンのジャングルへの入り口でもある。ここで、ブノワ・ニアンは自身の理想のカカオ農園を作り上げ、チョコレート作りの限界に挑戦することを決意した。この地域は10年前まではアクセスが困難で危険とみなされており、麻薬の違法栽培地となっていたが、近年はペルー政府が麻薬栽培をカカオやコーヒー、トウモロコシ栽培などに置き換える支援を行っている。

ブノワ・ニアンはカカオのテロワール(土地の個性)を生かすために、さまざまな国の農業技術者の助けを借り、「持続可能な森林再生」という野心的なプロジェクトに挑んだ。地元の樹種であるカピロナやカオバを植えることで生態系を再構築し、カカオの受粉を助ける昆虫の発生を促進。バナナやグァバの木も育て、カカオの木に日陰を作る。この取り組みによってオオハシやヘビ、蝶、ハチドリもこの地に戻ってきた。

そして2023年、ついに初めての収穫を迎えた。2016年に1,200本のカカオの木を植えてから収穫までには7年の歳月がかかった。収穫されたカカオ豆はベルギーの工房で、科学・詩・官能を融合させたレシピによってタブレットへと昇華された。

このチョコレートの特徴は、口に含んだ瞬間に感じるジャスミンのような花の香り。その後、プラムやチェリーのようなフルーティーな香りが広がり、最後にはスパイシーな香りが残る。ブノワ・ニアンの飽くなき探求心が育んだ「最高の宝物」。豊かなテロワールを体感してほしい。
カカオポッドを収穫
収穫したカカオ豆を木製の桶に入れ、サウナのような部屋で発酵が均一になるように1日2回、手作業で混ぜ合わせる。5〜6日で発酵し、その後、約1週間かけて乾燥させる。ゆっくりでなければならないが、遅すぎてもいけない。
農園で働くスタッフに、自分たちの農園で収穫したカカオのチョコレートと、ニカラグアなど他の農園のカカオを使ったチョコレートを比較しながら試食してもらう。自分たちの仕事やテロワールの重要性を理解してもらいたいとブノワ・ニアンは話す。
CACAO
BENOIT NIHANT 評価
FINCA LUIS DE SISA
フィンカ ルイ デ シサ 72%
口に含んだ最初の印象はジャスミンを思わせる花の香り。その後プラムやチェリーのようなフルーティーな香りが広がり、最後にスパイシーな香りが感じられます。豊かなテロワール(土地の個性)をご体感ください。
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